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パンデミックと政治
―― 何が対応と結果を分けたのか

フランシス・フクヤマ  スタンフォード大学 フリーマン・スポグリ国際研究所 シニアフェロー

The Pandemic and Political Order It Takes a State

Francis Fukuyama スタンフォード・大学フリーマン・スポグリ研究所 シニアフェロー 。最近の著作にIdentity: Contemporary Identity Politics and the Struggle for Recognitionがある。フォーリン・アフェアーズでは過去に、「もし女性が世界政治を支配すれば」(1998年11月号)、「歴史の未来―― 中間層を支える思想・イデオロギーの構築を」(2012年12月号)、「2016年の政治的意味合い―― アメリカの政治的衰退か刷新か」(2016年7月号)、「トランプ大統領の課題―― 問われる問題への対応能力」(2016年12月号)を発表している。

2020年7月号掲載論文

「一部の国は他の国よりもなぜうまくパンデミック危機に対応できたのか」。答えはすでに明らかだ。パンデミック対応の成功を説明する要因は国の能力、政府への社会的信頼そして指導者のリーダーシップだ。有能な国家組織、市民が信頼して耳を傾ける政府、そして優れた指導者という三つの条件を満たす国は、ダメージをうまく抑え込む、見事な対応をみせた。一方、政府が機能不全に陥り、社会が分裂し、指導者にリーダーシップがなければ、市民や経済は、ウイルスに翻弄された。対応をひどく誤ったアメリカの威信と名声はいまや地に落ちている。今後、数年にわたって、パンデミックはアメリカの相対的な衰退とリベラルな国際秩序の形骸化をさらに進め、世界各地でファシズムの復活を促すことになるかもしれない。現在のトレンドが劇的に変化しない限り、全般的な予測は憂鬱なものにならざるを得ない。

  • 危機対応と政治の質
  • ファシズムの台頭?
  • 民主主義のレジリエンス
  • 民主主義の未来

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